朝の詩学/葉leaf
で独立した主体の文学的創造の時刻として、朝はプライベートな輝かしい時刻として私にとっては貴重である。朝はプライバシーが厳密に保たれた時刻だ。夜以上に朝のプライバシーはデリケートで他人の干渉を拒む。朝、世界は一人一人の人間に厳密に分有され、世界は一人一人の人間に孤独に所有され、人々は連帯の義務からひととき解放されるのである。
朝、世界は未熟である。夜の闇はカオスのようでありながら、至る所に厳密な秩序の一端が垣間見えるが、朝はその夜の秩序を壊してしまい新たに何かを始めるので、世界は半分カオティックになる。何もかもが渾然と溶解してしまうかのような、何もかもが半壊してしまい、再構築にいそしんでいるかの
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