朝の詩学/葉leaf
 
と呼ばれる。
 やがて朝陽が少しずつ顔を出し、風景は暗いながらも形象を取り戻し、そして空や雲は朝焼けでピンク色に染まる。さらに太陽が威力を増すと、オレンジ色の強力な光が差してきて、それはいつの間にか透明で明るい光に変わる。鳥たちは鳴き始め、風景は明確な輪郭を語り出し、朝は厳正に執行される。このような自然の、特に光のドラマチックな移ろいは、多くの人には目撃されず、ただ風や木や川や道路や建物などが、黙して自らの表面で感じ取るだけのものである。
 朝とはこのように、人間の感知しないところで圧倒的な美を放出している自然の移ろいなのである。これは自然美全体のメタファーとは言えないだろうか。例えば人の足が
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