独白は無責任に(けれど真剣さを持って)/ホロウ・シカエルボク
 
とはなかったが…なぜか記憶に残っているささやかな場面のいくつかがそんな示唆を含んでいたのだとずいぶん後になって気づいたことがたくさんあったような気がする、もういまではそれらは妙に現実感のないものとなって脳味噌の片隅に転がっているけれど…信じられるか?自分が十に満たない子供だった頃のことなんて―もうそれはおれにとってなんの意味も持たない、その時代の出来事の数々はもう絵本の中のことのように現実味を欠いている―ともかく!おれはいまでもそんな時間の流れの中に居ると感じることがある、授業はなにも終わってはいない、そう、そんな風に感じることがある、ただ無為に通り過ぎていくだけの時間、あのころよりもいくぶんはま
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