撹拌される真夜中の指向性(望まれるのはイレギュラーバウンド)/ホロウ・シカエルボク
あった魂の調子を示す蝋燭を思い出させるような揺れる明かり、数十分もそうして天井を見つめていた、何も始まるものはなかった、考え得る限りのどんな出来事も起こることはなかった、俺は時間の隙間に押しピンで止められた幾つかのスローガンのように、薄明りの中でぼんやりと漂っていた、霊性のための時間、肉体がぶち壊れている、モジュラージャックを引っこ抜かれたみたいに眠りが忘れられてる、心臓は高度成長期時代のプラントのような音を上げている、そんな回転は必要ない、少なくとも今は…瞬きをすると幻覚がチラつく、すぐそばに誰かが居る、誰かが俺のことを覗き込んでいる、気が済んだかい、それともまだかい、からかうように問いかけてく
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