のどぼとけ×時間×エクスペリメント/高橋良幸
 
れの中に身を置いて詩の朗読をしている時は詩人なのだろうか。

 3月初めに見に行ったポエトリースラムジャパンでは、時間経過を意識した詩が多かったと思う。朗読する詩の内容が時間経過を持つということは、詩の内容の展開の具合を、朗読者側と観客側で時間軸に沿って同期を取ることができるということだ。歌がメロディーを繰り返すように。3分の長い詩を朗読するときに、同期がとれることは大事なことだと思った。その時に詩人は詩情を伝えることができているという意味で、しっかりと詩人であったと思う。他にも大事なことはいろいろあるだろう。標準語でない詩が良かったのも理由があるはず。
 現代詩は伝達の試みの地平にあるもの
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