死体の頭を数えて、永らえた今日を。/ホロウ・シカエルボク
る、照明はすでに落とされていて、再び灯される理由はどこにも無い、今夜もう俺は何を見るつもりもないからだ、少しだけ残されたミネラル・ウォーターのボトル、僅かな明かりを屈折させて適当にまき散らかす、それはいくつかの家具の上で葬儀のためのカレイドスコープのような陰影を浮かび上がらせる、カーテンは閉じられてはいるものの、草臥れたレールの隙間から月の夜が忍び込んでいる、それはまるで厳しさを持たない海底のように思える
眠るつもりでそこに横たわっているはずの見開かれた両の目はどんなものを得ようとしているのか?回遊魚のように中空を泳いでいるそんな問いに俺は答えることが出来ない、だけどその問いに答えられる
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