死体の頭を数えて、永らえた今日を。/ホロウ・シカエルボク
悲しませることなんかない、お前は幸せだったんだよ、なんて、誰の死を背負ってそいつは形を無くしたのか、理由は俺の魂に魚の小骨のように食い込む、神経の苛立ちのようなささやかな一瞬の痛みと共に…
アルバムを失った回転盤はアームをたたんだまま回転を続ける、血と肉を失ってカタカタと揺れている頭蓋骨のように、微かにベルトが摩擦を奏でている、暗闇と、ベルトと、回転盤のトリオ、そいつらが奏でるのはレクイエムでしかない、そいつはレクイエムでしかありえない、潰えたものだけがそれを必要とするわけじゃない、どんな世代にだって子守歌は存在するものだ、綻びが酷く目立つソファーに包まってアンサンブルに耳を傾けている、
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