放り出された世界の中で着地点を見つけたとき/ホロウ・シカエルボク
 
切手で君を地獄の淵から救い上げるだろう
そして獣のように君の身体を隅々まで貪るだろう
君の精子がもう一滴も出なくなって陰茎がピクリともしなくなると
また自衛隊のトラックの荷台に乗って居なくなってしまうだろう
君はしばらくの間たった一人でそこに横たわって
心と身体が癒えるのをじっと待つだろう、そのあいだは
どんなものも君のもとを訪れはしないだろう
やがて君がすっかり体力を取り戻し問題なく勃起出来るようになったころ
一人の特別目立つものも何もない女が君のもとに現れるだろう
君はどういうわけかその女のことを凄く気に入って
(いつまでも彼女がここに居てくれればいい)と心から願うだろう
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