北大病院にて/ただのみきや
たいに追ってしまうから
順三郎へと逃げ込もう
彼は学のある詩人
どことなく哲に入りながら
ふらふらと視線は彷徨っている
美しい
いのちの
濃厚な滋味のある
言葉の路を辿り山を越え森を往き
ふと肩透かし
別の扉の向こうで
永劫なんて煙草をぷかりとやっている
今日は良い日だ
珍しく思考が澄んでいて
詩の中が心地よくて仕方ない
最近は何を読んでも疲れて
すぐに眠ってしまったが
薄暗く 澄んでいて
時は少々弛んでいて
いい加減で
ふてぶてしく
ちょっとばかり悲しくて
考え事が
歩きだす
たぶんそれが
寛ぎなのだ
北大百二十周年の時
クラーク聖書
[次のページ]
戻る 編 削 Point(17)