詩人の死/葉leaf
また社会的にマイナーな存在であり、社会の中で取り立てて大きな発言力や権力を有しない。マイナーな存在がマイナーな内容を語る。これが詩人が詩を書くときの構造である。
だが、詩人のようなマイナーな存在が掬い上げてくるマイナーな真実はときとして大きな衝撃力を持つ。マイナーな存在が掬い上げるマイナーな事実だからこその秘された衝撃力である。それは社会の主要な流れとはならないにしても、詩を読む人間の人生に大きな影響力をもたらすことがしばしばある。誰もが好きな詩の一節を口ずさんだりするものであるし、座右の銘として詩的な認識を覚えている人は多いだろう。
伊達は未決のまま死んだが、その詩業は確定している。彼は
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