◎自分をいつくしむとは??身体と、ことばの育みについて         /石川和広
 
はない身体が、流出する。また、それが、他人の身体の愛しみの感覚も、下げてゆくことになるだろう。ネットのエロ画像に感じる「荒廃」の感覚も、こういう事情あたりからくるのではないか?
 少し、話がそれた。浜田氏は、そもそも、自分の身体が自分にとって、生老病死をとっても、ままならないことの強調から始める。これは、身体が、単に「親と子」だけから由来するものではないという感覚。あるいは、由来のわからなさ、自分でも制御できない(遺伝ひとつ取っても、そうだ)諸条件に置かれている感覚。それなのに、その身体を生き、自分の身体の豊かさと限界を感ずる感度。これらの感覚の復権といっていいだろうかとも考えた。
 つまり、
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