あてのないまなざし/ホロウ・シカエルボク
 
とになんて
元からどんな意味もない
言葉にならないところで
強靭な槍を見つけなければ


走り過ぎた始発の車輪が
戯れる亡者の裾を絡めていく
そいつらが擦り切れてぶちまける臓腑にまみれて
僕らは
同じ映画の同じ場面がいつまでも流れ続ける
シアターの廃墟の白昼夢を見ている


夜明けの向こうに
いつか
焼けるような夏が来る
そのことが腹立たしくて
なぜか無性に腹立たしくて
高速の高架下でアイスクリーム頬張りながら
友達の死を願ったあの午後のように


「列車は行ってしまった」
そんな歌があったよね
メロディに隠れてるもののことが
あの頃は判らなかっ
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