あてのないまなざし/ホロウ・シカエルボク
 
はふたつだろう
僕らの咽喉は
それ以上にはなれないだろう
路面の古いセメントに残された染みは
まるで
遠い昔こんな風に死んだ誰かの血痕のようだね


あるいは僕たちは
ゴールをプログラムされていない
シミュレーションゲームのようだった
いくつもの分岐点を疾走しながら
どこに行くのかなんて一度も考えなかった
行き過ぎてきた場所の記憶に
いつでも
誰かが大声で泣いてるような風が吹いてた


心に
感情に名前を付けることを
詩だと言う愚か者がたくさん居て
いつしか縫い針で口を縫い付けた
周囲の組織が壊死するぐらいに
強く
強く強く強く
言葉に出来ることに
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