沈丁花2/吉岡ペペロ
 
はいっていれば倍づけだとか、ローカルルールをかき集めるようにして取り入れ、一日中雀荘で楽しむようになっていった。姉が裁判所関係のパートの面接を受けているとき繁治の借金が明るみになった。そういうブラックリストに個人情報云々などないのだ。見かねた姉が今の仕事をみつけ、自宅で食事をふるまってくれるようになった。
 やがて繁治は姉たちと一緒に暮らすようになった。姉のひとり娘の裕子ちゃんには明らかに嫌がられていた。借金を抱えたいいおっさんだ。思春期でなくても嫌悪されて当然だ。裕子ちゃんが高校を卒業してすぐに独り暮らしをはじめたのも自分のせいだと思っていた。
 姉は繁治より十五上だった。両親はふたりとも六
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