カッティング・エッジ/ホロウ・シカエルボク
いると知ったらどんな顔をするだろう?このごろわたしはそういうことが変に気にかかる、包丁を持ち続けているせいかもしれない、野菜を切りすぎているせいかもしれない、あるいはこの部屋が野菜を切り続けるには高いところにあり過ぎるせいかもしれない―見事過ぎる空調のせいかもしれないし、梁を隠したおかげで広く高く見える設計のせいかもしれない、チャンネルを変え続けなければ楽しめない衛星放送のせいかもしれないし、あるいはそんなことばかり考えているわたしのせいなのかもしれない―エプロンを外し、上着をはおって部屋の鍵を持つ…無くても開けられるのだけれどやはり鍵を持って出ないと入れなくなるような気がして不安になるのだ―わた
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