不眠の内訳/ホロウ・シカエルボク
を続ける旅人のように
流れに委ねて揺れているだろうか
不意に、激しい炎が踊る音を聞いた気がした…想像の中ではない、目を閉じていた現実の世界での出来事だ
おれは音のもとを探した、そんなふうに聞こえるかもしれないあらゆる物音について検証してみた、睡魔はその間にまた逃げ出してしまった
炎のように踊りそうなものはこの部屋にはなかった
だいいち炎のように聞こえそうなものなんてこれまでに見たことがない…目を覚ましていても想像は続いていた
部品となったおれはそのまま燃え盛る火のなかに投じられ
なにを思うでもなくただ燃えていった
あちこちでおれが焼けるにおいがした、凄く強烈なにおいだ
じ
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