不眠の内訳/ホロウ・シカエルボク
頭の中で流れていた
いつからだろう
古い歌を思い出すとき
そのとき自分が幾つだったのかと探るようになったのは
(それは文字すら読めなくなったページのようなものだ…そこになにを見つけようとしている?)
そんな夜に見る夢からは
色褪せたヌーヴェルバーグの燃えかすが散る
最後の小節が終わる前に
脳味噌に突き刺した文節は放電するだろうか
魂の重力が無くなる丑三つ時に
圧縮されて隅へ追いやられた思考のなかへ潜り込む
おぞましい感情の成れの果てを掻き分けながら一番奥へと辿り着くと
死の予感のようなものに脅かされて目を覚ましてしまう
尿意の有る無しに関わらず便所に立ち
搾り取
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)