殺されるひととすれ違う(2/2)/吉岡ペペロ
 
の真帆ちゃんにとどけた。真帆ちゃんはジキニンをとった。あたしは角砂糖を指で挟んで、「こいつがおいしんだよなあ」とおどけて見せた。
 ごはんを胡麻油で炒めながらウスターソースで味付けをした。けっこう胡麻油の臭いがしたから慌てて換気扇を回した。生卵を落として白身とごはんをからめていった。白身の透明がなくなったところでお皿に移した。二皿とも中心に黄身がうまいこと乗った。きれいに盛りつけられたほうを真帆ちゃんに持っていった。
「美味しいやん」
 さいきん真帆ちゃんはあたしの時々出る関西弁を真似る。そんな真帆ちゃんにあたしは胸を鷲掴みにされる。
 テレビで女優が泣いていた。あたしやって泣きそうや。嬉
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