殺されるひととすれ違う(2/2)/吉岡ペペロ
がないのだ。
リビングでふたりでテレビを見ていた。落ちたんや。あたし落ちてたんや。テレビがあたまに入ってこない。真帆ちゃんもきっとおんなじなんだろう。
真帆ちゃんの会社しか動いていなかった。甘かった。ミスだ。ふいに、こんなことしてられないと思った。思ってすぐ、真帆ちゃんに失礼なことを思ったと思った。
「あたしチャーハン作るね」
あたしがキッチンにいこうとしたら、
「風邪ひいたかも知れない」
真帆ちゃんが言ったからあたしはキッチンに風邪薬をとりにいった。
「どこだっけ」
「冷蔵庫のよこだよ」
あたしはバファリンとジキニンと白い紙に包まれた角砂糖を手のひらにのせてソファの真
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