殺されるひととすれ違う(2/2)/吉岡ペペロ
え方もあるのかとだんだん感心してきた。
「真帆ちゃん、すごい」
「すごくないよ」
「すごいよ、すごいよ」
あたしはにんげんぎらいじゃないと思った。そのことを言うと、
「あたしもちがうかも」
真帆ちゃんがあたしをつよく抱き締めた。
あたしはいま本当に人生得意時だ。
こんどの最終面接がうまくいけば真帆ちゃんとおなじ会社で働ける。うまくいくイメージしかない。もうほとんど真帆ちゃんと面接の話をすることがなくなっていた。もし落ちたらふたりの関係はどうなるのだろう。
どうやら落ちたみたいや。真帆ちゃんがいつもの真帆ちゃんじゃない。真帆ちゃんは結果を知ってるはずや。だから元気がな
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