殺されるひととすれ違う(2/2)/吉岡ペペロ
 

 お母さんからの電話を真帆ちゃんの部屋で聞いていた。あたしの就活を心配しているお母さんは、大阪にもどっておいでよとしきりに言う。疲れる。はやく決めたい。真帆ちゃんの会社に入りたい。きょうは貧血気味だった。生理だ。
 きのう真帆ちゃんにあそこをなめられているとき、おなかが痛いのをがまんしていた。いきそうになって重い地滑りみたいなのがドーンときた。
「血だよ。高ちゃん、生理、きたよ」
 真帆ちゃんが人差し指をあたしに見せた。
「口紅みたい」
 そう言うとあたしはこころから幸福な気持ちに満たされた。
 お母さんとの電話が終わったあとあたしはリビングで寝転んでいた。午前の太陽があたしを照ら
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