殺されるひととすれ違う(1/2)/吉岡ペペロ
しなければ入れなさそうな店だった。OLばっかりでびっくりした。友達といくような店とは味がちがった。味がちがうというより、味に気づいた。つくねってこんなに美味しいんや。
「美智は、殺されるよ」
真帆ちゃんが濃厚な鳥スープをすすってぼそっと呟いた。
「どういうことですか」
「そういうことよ、あなたに殺されるのよ」
「あたし殺しません」
大きな声がでて恥ずかしかった。殺しません、殺しません、殺しません、殺さへんもん、殺さんもん、あたしが殺されたようなもんだから。
「美智になにがあったのかは分からないよ、分からないけど、あなたは殺されたのよ、だれかがだれかを殺したら、そいつは殺したやつに
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