殺されるひととすれ違う(1/2)/吉岡ペペロ
がこわばってきた。指先がしびれてきた。
その日、美智とおなじ企業のブースに座ることはあってもそれは偶然だった。
こころあたりと言えば真帆ちゃんとの一対ニのOG面接ぐらいだ。でもあれのどこが? 日々自信を失い続けている就活最中に、こんな気持ちはたえられなかった。
虚ろになって会場をでたあたしは、ひとが通らないようなところを探して、真帆ちゃんに教えてもらった連絡先に電話していた。
つながらなかったけれどすぐ折り返し着信があった。あたしが美智のことを話すと、
「めんどくさい女だねえ、顔も忘れたけれど」そう言って、今夜ごはんでも食べようということになった。
焼鳥屋は混んでいて予約しな
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