殺されるひととすれ違う(1/2)/吉岡ペペロ
なんかない。
そんな日々がひとつきほど続いて、ついにあたしは生理がとまった。妊娠などしているわけがないからこれは精神的なものだろう。
「あたしもさあ、にんげんぎらいだから分かるのよ、分かってしまうんだなあ、これが」
真帆ちゃんはあたしをにんげんぎらいだと決めつけてしまったようだ。
真帆ちゃんと目があった。真帆ちゃんのひとみは薄茶色だった。下にそらした途端、あたしは泣いてしまった。そうや、あたしはにんげんぎらいなんや。
「あたし、就活前、シーで飲食のバイトしてたんですけど、誰とも話すのが嫌で付き合い悪いどころかゼロで、バイトやめるときも誰からもお別れ会みたいなの誘われなくて、でもへっ
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