殺されるひととすれ違う(1/2)/吉岡ペペロ
へっちゃらというか、かえってありがたかったんです」
あたしは真帆ちゃんに涙声でまくしたてていた。学生課のトレーナーが聞いたら卒倒しそうな自己PRだ。となりで美智があっけにとられているのが分かる。
「あなた気に入ったわ、現実問題にんげんぎらいぐらいじゃないと、依存心つよすぎて社会じゃ通用しないのよ」
え。こんなのでいいの? ちょっとおかしない?
それから真帆ちゃんのにんげんぎらい武勇伝みたいなのを聞いていた。真帆ちゃんの白くて四角い顔から共感できるエピソードがあふれでてくる。栗色のショートの髪をオールバックにしている真帆ちゃんがかっこよかった。
あたしと美智は真帆ちゃんに飲みにい
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