夜をぶっとばせ/ホロウ・シカエルボク
 
休みしてつま先に目をやると、靴がどうしようもなく汚れていることが判る、だけど
靴を洗いたいと思うような時間なんてないんだ
どこかの隙になにかを書いておきたいと考えているような人生には
そうしたことをきちんとこなして
そこらに居る十把一絡げの馬鹿みたいに自慢気な顔をすることも出来るけど
それでなにかゴキゲンなことがあるわけじゃないからね
世のなかにゃつきあえることとつきあえないことがある
立派な大人ごっこなんて馬鹿の最たるものなのさ


見てくれを綺麗に整えることなんか誰にだって出来る
ごく世間的に恥しくない生き方をすることも
つまらないことに一生懸命になることだって
でも
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