夜をぶっとばせ/ホロウ・シカエルボク
 
らいのものだろう
盲目的な日常と静寂のなかでやたらとうすぐらい色味の夢を二時間ばかり見るともう世界は日付を変えている
昨日なんてなにも終わってはいないのにも関わらずだ
馬鹿みたいに早く家を出て十字路に佇んでいると
もうブルースにはなにも歌うことがないことが判る
あらゆる道の始まりには神経症的に行先を示す標識がぶら下っているからだ


朝に抜け出した寝床の形状が、どうしようもない人生のかなしみを語るとき
ラジオはかならず大昔の音楽を流している
いちばん沢山のものを語ることが出来るのはすでに起こったことだから
喋りまくることでなんとか出来ないかと試みているように思える
ひと休み
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