鎖/あおい満月
 
んあなたから離れていった。

***

あなたがあの老女に逃げた理由も、
解らないわけではなかった。
いつも、
私の母方の家系からは、
「Hさんはどこの馬の骨だか、
わからないやっかいもの」呼ばわりされ、
私の母親の母親からは、
「バカ野郎!」と怒鳴られ、
あなたは心の拠り所をなくしていた。
だからあなたは、
あなたを労り、享受してくれる人を探していた。

私の母親との離婚が成立した、
私がもうすぐ高2になろうとしていた、
ある休日の車のなかで、
あなたは私に、

(いいか、ふうちゃん、これからはセックスは良いが子どもは作るな)
だった。
私は浅はかな
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