田村隆一(その詩行のかっこよさから語る)/岡部淳太郎
 
いない。「現代詩文庫110 続・田村隆一詩集」の巻末の作品論で粟津則雄は書いている。


{引用=田村隆一は、或るインターヴューで「『四千の日と夜』のようなやり方だけでいったら、とても生命がもたないですね」と言い、また、「『四千の日と夜』のような世界だと、それはもうぼくにはあの一冊だけで十分なんです。それはある種の情熱の激しさもありますし、いっさいの日常的なものを全部拒絶していることもあるわけですが、でも、それはぼくに言わせるとやはり一種の密室ですから、これをいくら続けていっても、詩人の側としては、要するに真空状態になっちゃうわけです。だから、いくら読む人がそっちのほうがいいと言っても、そう
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