ミサ/ホロウ・シカエルボク
んでいる空間を気持ち悪く思え始めた、家族、級友、教師、その集まりの中にある真意というものが読めなかった、何のためにそんなものが存在するのか、何のために彼らは毎日を生きているのか―次第に彼女には彼らが人間の顔をしたなにかべつの生きものであるように思えてならなかった、彼女にとってなによりも不幸だったのは、彼女自身がその考えを完全に肯定することが出来なかったことだ、思春期の少女にありがちな自惚れのこじれたものかもしれない、そうした懸念を彼女は拭い去ることが出来なかった、だからすべてを理解出来ないまま受け入れようとするうち彼女は壊れていった、でも、人の居るところでその兆しが現れることは決してなかったから、
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