ミサ/ホロウ・シカエルボク
とは出来なかった、自分の存在を認識し始めたころにはもう四肢は駄目になっていた、凍え、失われたことで本来の自分を取り戻したのかもしれない、身体の奥底に眠る生命体としての本能が、彼女を正しいところに戻したのかもしれない、でもそれが、良いことなのか悪いことなのかは判らなかった、おそらく誰にも判断することは出来なかったであろう―彼女自身にもだ―女の名前はミサと言った、どこぞの有名な高等学校の生徒であり、成績も優秀だった、そして美しく―それだけならどこの学校にもよく居るマドンナ的存在というやつだった、だが彼女はその役をこなすには少し賢過ぎた、勉強が出来るのではなく、頭が良かったのだ、彼女は次第に自分が住んで
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