冬の空ぼど気まぐれな奴はいない/ただのみきや
天
似ていても全く異なるもの
だけど異なる者同士が隣り合うことも
珍しいことではない
クリスマスの夜に大騒ぎしている
その隣の部屋で
首を吊る、男の、独 白。
エゾクロテンが
白紙を横切って――
たぶんわたしがこの目で
鳥たちの食卓を
十二月の文脈を
隠者と狂者の暮らしぶりを
二重三重の乱れたビジョンで
切りつける
ひたすらにいたずらに
人は神の視線を避けた
樹木の衣を借りてまで
だが樹木は惜しげもなく脱ぎ捨てる
裸婦たちを視線はリスのように辿り
一本の若木に恋をする
わたしは言葉を創らない
言葉がわたしを創っている
天候のように
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