冬の空ぼど気まぐれな奴はいない/ただのみきや
 
にしたい
ここへ 刃を突き立てて

刷新された大地に足を下ろす
波立つ恐れを相殺する
        もう一つの波

一時停止せよ 一方通行だ Uターン禁止

頭の中を棘の生えた標識が
サロメよりも腰をくねらせて
律法学者より厳格に規定する

雪原の足跡
立ち止まればそこで
    行き止まり

わたしは
俯瞰する何者かによる即興

     偶然という
ちぐはぐなピエロの衣装
天井の低い時間で燃えている

笑い顔あるいは無表情の
美しく素体化された者たち
影を生む光と影を殺す光に取り囲まれて
輪郭を失って往く水彩の花よ

句読点と有頂天
[次のページ]
戻る   Point(17)