冬の空ぼど気まぐれな奴はいない/ただのみきや
にしたい
ここへ 刃を突き立てて
刷新された大地に足を下ろす
波立つ恐れを相殺する
もう一つの波
一時停止せよ 一方通行だ Uターン禁止
頭の中を棘の生えた標識が
サロメよりも腰をくねらせて
律法学者より厳格に規定する
雪原の足跡
立ち止まればそこで
行き止まり
わたしは
俯瞰する何者かによる即興
偶然という
ちぐはぐなピエロの衣装
天井の低い時間で燃えている
笑い顔あるいは無表情の
美しく素体化された者たち
影を生む光と影を殺す光に取り囲まれて
輪郭を失って往く水彩の花よ
句読点と有頂天
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