冬の空ぼど気まぐれな奴はいない/ただのみきや
 
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進

こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして

時間が止まって感じるなら
とっくに死んでいるのかもしれない
冬の青すぎる眩暈に引力を手放して
空へ 四散して往く 
とり残された苦痛が比喩を探して這いまわる

大勢の買い物客がひしめき合う
人と物と金が素早く動き回り
編みあげられる暮らしの後ろ姿が
過去へと奉納される

彼方から微かに炸裂音が
彼方へは微かに歓喜の歌が
聞えている
重なり合う現実と幻影は
時間で役割を交換する
人類を八つ裂きにし
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