いのり/あおい満月
自分の子供はけして
他人の前では褒めてはいけないと、
あなたは繰り返した。
だから私は頭の悪い仮面を被って
行きたくもない学校へ通った。
仲間からは、
アシワル、デブ、
とからかわれ、
教師たちからはあきれられ、
私は健常な障害者として義務教育を過ごした。
母親は知らなかった、
ましてや愛人のもとで暮らしめた父親も、
私のなかで何かが不死鳥のように
砕け続けていく事など。
***
トオクへイッチャイケナイヨ、
オカアサンシンパイスルカラ、
フウチャン、フウチャン、
カワイイブサイクナフウチャン、
私が短大を卒業し、
社会人として生きて10年が過ぎ
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