Iodine/opus
彼の手が
一つの事を行って
何かを成す
世の中を見据えて作ったつもりだが
それが
無闇に評価される
でも、
実際の所
彼には全てが
どうでもいい事で
ある晴れた日の午後
イタリアンレストランの
テラスで白ワインを飲む
ジリジリと聞こえてきそうな
陽光の下
世界は以外と寒い
目の前には
知らない女子高生がいて
ウニとイクラのスパゲティを
食べる
イクラがポロリと零れ
それを指で掬い
舐める
その時の目線が酷くムカついたから
そいつが用を足しに行った隙に
そそくさと立ち去った
空にはふわふわと大きな雲が浮かんでいる
ビルの屋上で柵に寄りかか
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