Iodine/opus
かかりながら
雲を見ていたら
欠伸が出た
その時、
ずっと堪えていた震えが
全身に生じる
堪らなく叫ぶ
誰もいない空
誰もいない場所
誰もいない世界
「大丈夫?」
背後から声が聞こえる
振り返るとそこにいるのは
出来損ないの俺の息子で
無垢な瞳で此方を見ている
そいつをぶち壊したい感情に駆られる
でも、そうしない
何故か?
何故だろう。
電話が鳴る
「何で帰ったの?」
「お金は十分渡しただろ?」
「悔しい」
「すまん」
「ねぇ、また会ってくれる?」
「いいよ、でも5年待って欲しい。
そしたら、
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