それは抽象性以上の具体性を持たない(そしてしばらくの間循環をやめない/ホロウ・シカエルボク
どんな示唆にも満ちてはいない、だけど
これはどんな示唆にも当てはめて動かすことは可能である
血液や髄液にかたちが存在しないのと同じように
モデルのある人生に違和感を覚えるのと同じように
眠りの中に溶け込んでいくとき
生まれたときのことを思い出している
それは明確なヴィジョンを持たないものだけれど
手にしているという感触だけはしっかりと残していく
覚えていることだけが記憶ではない
そんなものと無縁な場所に刻まれているものが必ずある
無意識になったときが自分自身だ
聴いたことのない歌が絶対的なメロディーだ
綴ったことのない詩はすべてを語っている
読んだことのな
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