それは抽象性以上の具体性を持たない(そしてしばらくの間循環をやめない/ホロウ・シカエルボク
 


本当に見たいものを見ようとする瞬間には
その裏にあるものまで知ろうとしているものだ
目に映るものなんて入口に過ぎない
鍾乳洞を歩くように項目を辿らなければ
それがいったいなんなのかなんて決して知ることは出来ない
即断の皮を一枚捲れば愚直が隠れているものさ


真夜中になるといつも
どんな音も聞こえない瞬間がある
車の流れが途切れ、人の流れが途切れ
心が機能のいっさいを止める、そんな瞬間が
そんなとき俺はサイレントに
侵食されてただの体液になる


これはどんなことについても話そうとはしていない
これはどんな意味も含んでいないようなものではない
これはどん
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