ガ/ホロウ・シカエルボク
見続けていた
でもかれはそれらを知りたくて見つめていたわけではなく
かれが知りたいのはただ自分自身のことだった
おれがかれらでないことにはどんな意味があるのか
おれと同じような姿をした連中と
おれがまったく違うように思えるのは何故なのか
本当に違うのならば何故そんな風に生まれてきたのか?
いくら考えても答えが出ることはなかった
また、考え続けていると
自分自身が本当にそんなことの答えを知りたいのだろうかと
そんな思いが沸いてくることがあった
(もしやおれはなにかの間違いのようなものでこの世界に生まれて来たのだろうか?)
ときどきそんなことを考えて身震いをした
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