ガ/ホロウ・シカエルボク
の思いで進化を求め続けていたが
それが落ち着いたいまとなっては
ゴキブリと同じで同じ姿を維持し続けるだけのいきものになった
蛾は見つめていた
ある家の天井の
電灯の傘の裏に止まって
見つからないように
見つめ続けた
彼等の食事と
性交と継承を
そして
それらがたびたび壊れそうになるのを
そして考えていた
自分がそこに居るわけを
見下ろしているいきものたちは便利な手足と大きな身体を持っていて
それらを自由に使いこなしているように見えた
かれらは自分たちでは飛べないようであったが
それ以外のたいていのことなら出来るように見えた
かれは
興味深くそれらを見続
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)