暗転の種類/ホロウ・シカエルボク
 
ら見た針のように鮮やかだ、メイン道路のひとつ北、幾分下がったところに隠れるように流れる川のそばを、題名を思い出せない歌をハミングしながら歩いた、コカ・コーラとビタミン・ドリンクの空缶が澱んだ流れの中でフラつきながらリズムを取り、それは気紛れに通り過ぎるエンジンの音に半分掻き消えながらしばらくの間続いた、澱んだ流れが暗渠に消えるまで…過去はあいも変わらず瞬時に死別していく現在で、そいつらには腐敗する暇すらなく、そのほとんどは見落とされたまま、在ったのか無かったのかすらろくに認識されることはなく―ただ概念的な死体のようなものが舗装の荒れた路面に転がっているだけで…だから夜には時計を見ない、正確に時を刻
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