(3/3)伊勢うどんをマフラーに/吉岡ペペロ
 

「ということは、いのちは大丈夫ってことだよな」
 泣き張らした目であたしに微笑んだ。
 向こうにコンビニらしき明かりが見える。でもまだ足元は真っ暗だ。
 アーヤの世界はこれより真っ暗なのかも知れない。
 もう少し明るいのかも知れない。太陽ならうっすらと感じられるのかも知れない。アーヤが光にかすかに反応している可能性があるとお医者さんに言われたことがある。
 でも遠い星は見えないだろう。星はなぜ、夜輝くのだろう。昼間だと太陽が出ているから見えないだけだ。あたしはなんでこんなことを考えているのだろう。星、星、天体、天体、あたしはつぶやきながら真っ黒な空を見上げた。そして、「アーヤ、アー
[次のページ]
戻る   Point(3)