(2/3)伊勢うどんをマフラーに/吉岡ペペロ
 
いわりに塩辛くなくて逆に塩味が足りない気がする。でも濃厚なだし汁の旨みがある。
 アーヤがうどんのなかに手を入れた。そして、キーキー、キーキー、喜ぶときのうるさい叫び声をあげた。アーヤのちいさな力でもうどんがすぐ千切れる。アーヤがてのひらにのこったうどんをじぶんの首にこすりつけた。
 アーヤはなにかを感じている。健常者なら偶然目や耳で学べることがアーヤには学ぶことが出来ない。
 あ、マフラーだ。あたしはアーヤがマフラーの物まねをしているのだと感じた。
 あたしはお店のひとの目を気にしてアーヤに注意するふりをして、アーヤのはじめての物まねを楽しんだ。
 お店から出てもパワースポットにはもう
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