(2/3)伊勢うどんをマフラーに/吉岡ペペロ
がらその縄のなかに両手をいれてみた。確かにあたたかいものを感じた。
「先日も芸能人の方がお忍びで来られて、ここでずいぶん長いことパワーを頂かれてたんですよ」
あたしはアーヤを縄のなかに捧げるようにしてつき出していた。
アーヤが笑った。安心したような笑顔。あったかいものを感じてマフラーが戻って来たように感じているのかも知れない。それとも不思議なパワーのせいだろうか。
あたしはもう今日はずっとここに居てもいいと思った。ひょっとしたら。ひょっとしたら。あたしにはその思いを打ち消すことが出来なかった。
ガイドさんがそれでは内宮に向かいましょうと言ってあたしたちを集めた。
この砂利道の
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