(1/3)伊勢うどんをマフラーに/吉岡ペペロ
ちなのだろう。それが間違いだと分かったところで、子どもなら誰しもこんな感じなのだろう。ことさら劣っていると思う必要はない。専門家のひとが言っていた。
ガイドさんが神社の神使がカエルであるいわれなどを説明してくれている。そのあとをついていくとすぐに夫婦岩が現れた。
あたしは詩人でもなんでもないが、夫婦岩の海上に出た大小ふたつの岩をむすぶ綱を見つめていると、あたしとアーヤの絆のような気がした。
バスに戻ると、むずがるアーヤを心配してくれたご婦人が、
「よかったら、私のマフラー使ってください」と声を掛けてくれた。借りてしまうといろいろ喋らなければならないような気がして、あたしはその申し出を
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