スイッチ/ただのみきや
 
なく見つめ果てて名付けることもままならない
無口な機雷の包囲に理性はベルを押し続けた鳴らないベルを
あれは苦い媚薬だ痴れた唇から次々と首を吊る歌声が絶えず
あらわなしろいあしつまさきだけがあかくともる灯

八つ裂きだ半島は瞳の区切る犬の直線が喰らう幻の
祖国は旗よ何時も蛆の尽きない変わらぬ尊厳だ舐めつくす炎に敬礼せよ
食卓に背が届かない両腕の無い子供たちを燃やした正義よ戦いよ
人間の誇りよ尊厳よ手向けられる幾千幾万のスイートなツイートよ
瞳の澄んだ青い死へ物言わぬ影の行進あれはいつのことか
少女たちがダイブする笑わない旗が翻る弾ける身体神の似姿の脆さ
ああ言葉の楼閣が消えて往
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