光線の名残/ホロウ・シカエルボク
 
やかな火のようにともって―消える、あいつらは消化なんかされない、あいつらの成分は吸収などされない、あいつらはいつも身体の中でそうしたあと、霧になって消えていく、そう信じている、感じなくなったときが終わりだ、感じなくなったときがそいつの終わりなんだ…公園のベンチに腰を下ろして五分おきに腕時計を見る、ギリギリの少し前までこうして腰を下ろしている、これから失われる時間のことを思いながらクリアスカイを泳ぐジェット機の腹を見上げている、空の上で見る空はここから見る空と同じだったかずっと思い出そうとしていた、あそこからこちらを眺めたのはもうどれくらい前になるだろう?はっきりとは思い出せなかった、立ち上がって公
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