80年代中学生日記 斉藤アキラ君/瓜田タカヤ
悪そうな時はオレがやらなくてはならないのだ。
オレは外に出て雪かきをする。オレは庭に雪を積む。
妻が怒らないくらいの雪山になるまで雪を積む。
向かいの家の雪山では、アノラックを着た子供達が無邪気に遊んでいる。
そんな子供達は期限付きの「自由」を持っていると思う。
なぜ期限付きか。
それは無垢な精神には破損感があるからではないだろうか。
大人になるまでには当たり前の真実を否定し
破損個所を埋めなきゃならない事が多々あってしまうからだと思う。
それは言うなれば自己に対しての”不誠実な皮膜”だ。
”不誠実な皮膜”は「嘘」や「虚栄心」であったり
「対面」や「自己矛盾の葛藤
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