最初で最後の、樹氷が見る夢/ホロウ・シカエルボク
 
るようなものではない、それはただ溶けてしまっただけのものだ、それは腐敗し始めるだろうか?それともそんなプロセスはなかったことになって、灰になって風に消えるだろうか?そんな死は、そんな死は見たことがない、死とも呼べないような死など、ましてやこの身がいまそんなものに向かって突き進んでいるだなど…けれど確実にそれは侵食を続けていて、すでに朝食は見えなくなってしまった、爪先から次第に感覚がなくなっていくような気がする、なんという残酷な死だろう、ゆっくりとした溺死、零下に溺れていく、金属音はもうずっと耳の中で鳴り続けている、それはもう途切れることなく、鳴り続けている、鳴り続けている、オシログラフが一直線にな
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